国王は形式的なものに過ぎず，政治的実権は，行政権を担当する内閣を選ぶ議会にある。議会は，二院制（両院制）をとるが，20世紀に入って下院の優位性が確立した。上院は，世襲貴族や一代貴族（ということは，昨年末貴族に叙せられたポールも，選出される可能性を持つ？），司教などからなり，議員定数はなく，1991年現在1100人あまりである。下院は，18才以上の普通選挙と小選挙区制で650名の議員で構成され，任期は５年である。

　行政権を担当する内閣は，首相以下20名前後の閣僚で構成され，下院の第一党の党首が首相となり，議員の中から大臣を選ぶ慣行ができている。政権は，保守党と労働党の二党制によって交互に担当され，比較的安定した政治が行われている

　下院の委員会で可決された法案は下院本会議に送られ，本会議で可決されると，上院で審議され，成立したあと，女王の裁可で正式に法律となる。