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■ライブレポートNo.2 1993年 ポール THE NEW WORLD TOUR 福岡ドーム公演

 前回の1990年の最初のポールとの出会いがあまりに衝撃的であったためか,そのわずか3年後に訪れた2度目のライブ参加は比較的印象が薄い。

 1990年のポールの第1回のライブと1995年のリンゴのライブレポートはそれぞれの公演終了直後に書いたものなのであるが,実はこの1993年と2002年のポールのライブレポートは2010年夏に当時のことを思い出しながら書いている。そのため文章に臨場感や迫力がまったくないと思うがお許し願いたい。


 1993年11月,福岡と言う地はほとんど土地勘がなく,確かその前には一度旅行で訪れたことがあっただけだったと思う。そんなわけで街の様子がわからないことに戸惑いながら,どうにかこうにか福岡ドーム(現 Yahoo!ドーム)に到着した。

 オープニングあたりの様子やセットリストを思い出すためにこの公演をご覧になった方々のサイトやブログを覗いてみたが,どうもあまりいい評判は聞かない。(^_^;)

 ともあれ,そういえば当事はポールが動物実験反対運動に熱心でベジタリアンとしての運動を先鋭化させていた頃なので,動物実験反対キャンペーンの映像がかなり長く上映されていたことを思い出す。

 オープニングはビートルズナンバー「Drive My Car」いい選曲だ。ただ,ちょっと気になったのは歌い方。ポールという人はライブをやるときに他のアーティストがよくやるようにLP/CD化されたものとアレンジを大幅に変えるというようなことをせず,ほとんど公式に発表されたバージョンとおりに演奏する。(「Let It Be」で"and in my hour of darkness""and in my darkest hour"と変えて歌うのが目立つくらい。)ところが,この「Drive My Car」は歌い方がちょっと違う。よく言えば“ワイルド”。悪く言えば“雑”何かちょっと感じが違うかな?

 さて,今回は特に一曲一曲にはコメントせず,全体的な思い出を語ってみるつもりなのだが,その意味でトータルで言えば多少不完全燃焼が感じられた公演であった。

 ともかく,全体的な感想を述べてみると。

 *よかった点

  • ビートルズナンバーをたっぷりと聞けたこと。
      こんなにもたくさんビートルズナンバーを並べ立ててくれたライブは他にはなかったんじゃないかな?これは感涙もの。
  • バンドメンバーが妙に若すぎず,落ち着きが感じられたこと。
      この後のライブはメンバーが妙に若すぎてポールが浮いてしまうんだけど,この時期は“シブくて”なかなかよろしいです。
  • 特にヘイミッシュ=スチュアートとウィックス=ポール=ウィッケンスの存在感がずば抜けていたこと。
      中でもウィックスですねぇ。彼の存在があったからこそ,ステージでは再現が難しそうな曲も完璧に演奏されています。

     *もうひとつだった点

      全体に地味であった。
        特にソロ作品が地味であった。
          これは強く感じたこと。だって,ソロ曲が約半分なのだけれど,そこで目立つのが質がもうひとつの最新曲。この部分になると客席が盛り下がってしまう。もっと時代的にバラエティを出して欲しかった気がする。

       とはいっても,“神”を目の前で見ることができたんだから,まああまり文句は言いませんけどね。

      セットリスト

       1.DRIVE MY CAR
       2.COMING UP
       3.LOOKING FOR CHANGES
       4.JET
       5.ALL MY LOVING
       6.LET ME ROLL IT
       7.PEACE IN THE NEIGHBOURHOOD
       8.OFF THE GROUND
       9.CAN'T BUY ME LOVE
      10.ROBBIE'S BIT
      11.GOOD ROCKIN' TONIGHT
      12.WE CAN WORK IT OUT
      13.I LOST MY LITTLE GIRL
      14.AIN'T NO SUNSHINE
      15.HOPE OF DELIVERANCE
      16.MICHELLE
      17.BIKER LIKE AN ICON
      18.HERE THERE AND EVERYWHERE
      19.YESTERDAY
      20.MY LOVE
      21.LADY MADONNA
      22.C'MON PEOPLE
      23.MAGICAL MYSTERY TOUR
      24.LET IT BE
      25.LIVE AND LET DIE
      26.PAPERBACK WRITER
      27.BACK IN THE USSR
      28.PENNY LANE
      29.SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND

      アンコール
      30.BAND ON THE RUN
      31.I SAW HER STANDING THERE
      32.O SOLE MIO!〜HEY JUDE