一作目の「A Hard Day's Night」は制作費をケチるために白黒映画にしたが,予想に反して興行的な大成功を収めたユナイテッド・アーティスツ映画は,第2弾ビートルズ映画をカラーで作成することとなった。
タイトルは,もう少しで,再び“リンゴ語”である"Eight Arms To Hold You"(あなたに絡み付く8本の腕)という奇妙なものになるところだったが,ジョンとポールが適当なテーマソングを作ることができないせいもあって,最終的に"Help!"に落ち着いた。
前回と違ってこの映画は基本的には「冒険活劇」である。主演は,これまた前作の好演で味をしめたリンゴ。南洋の怪しげなカルト宗教団体に後を追いつづけられるリンゴと4人のドタバタを描いた喜劇作品。彼らはオーストリアやバハマをまたにかけてロケしてまわり,オーストリアではなかなかのスキーの腕前も披露している。
喜劇としても秀逸な作品で,ビートルズファンならずとも楽しむことができるだろう。
この映画はテレビで放映されることもほとんどなかったために,私が最後に見ることが出来たビートルズ映画となった。やっとレンタルビデオ店で借りて来てのことであるから,ずいぶん最近のことである。
なお,映画の冒頭で「この映画をミシンの発明者にささげる」というコメント(字幕)が登場する。この意味についてはかねてより問題になっていたが,私は,映画のフィルムを送る仕掛けが,ミシンの布を送る仕組みからヒントを得て発明されたというところにあるのではないかと思っている。 なお,現在はブルーレイ化されている。 |